2010年04月29日

不妊対策にイソフラボン

イソフラボンについて調べてみましょう。

○イソフラボンとは

■ポリフェノールの仲間
イソフラボンは、大豆の「えぐみ」成分の一つと考えられており、赤ワインで有名になったポリフェノール類の仲間で、フラボノイド群に分類されます。
ふつうは総称して「イソフラボン」と呼びますが、大豆中のイソフラボンは、ダイゼイン、ゲニスチン、グリシチンなどを中心に、現在まで12の成分が確認されています。

■マメ科の植物に含まれる
イソフラボンは、窒素を土中より取り込み、タンパク質を合成するマメ科の植物に多く含まれます。大豆、レッドクローバー、アルファルファ、葛などのマメ科の植物に多く含まれています。

■植物エストロゲン
イソフラボンはエストロゲン(女性ホルモン)様の作用を有します。これはエストロゲン受容体・エストロゲン・レセプターに結合してはたらくためで、植物エストロゲン「フィト・エストロゲン」と呼ばれます。分子構造もエストロゲンによく似ています

■胚芽に多く含まれる
大豆イソフラボンは大豆の中にわずか0.2〜0.4%程度しか含まれていない貴重な成分です。胚芽の部分に集中的に多く含まれているのが特徴です(約2%)。

■配糖体とアグリコン
イソフラボンには大きく分けると2つの形態があり、「糖」がついているもの(配糖体)とついていないもの(アグリコン)があります。

味噌、納豆等の大豆発酵食品中には大豆イソフラボンアグリコンが多く含まれます。しかし、自然の大豆に含まれているイソフラボンは、その大部分が「配糖体」です。配糖体は、私達の体の中で腸内細菌によって分解されて「糖」が離れ、アグリコンとして吸収されるとされています。

■健康に役立つ
欧米では、日本人の長寿、そして骨粗鬆症や更年期障害、乳がん等の発生率の低さの秘密を大豆イソフラボンだとして研究しています。


○エストロゲンとは

エストロゲンは、女性らしさを体に表す主に女性の卵巣で生産される女性ホルモンのひとつで、卵胞ホルモンとも呼ばれています。エストロゲンは、月経や妊娠、女性らしい体作りや骨の新陳代謝など、特に女性の健康を守るうえで不可欠なホルモンです。

エストロゲンは、卵巣や胎盤など女性特有の臓器で多く作られますが、男女ともにある副腎などの臓器でも作られますので、性別に関係なく男女ともに体内で合成・分泌されています。身体全体の営みに関わっています。

エストロゲンの受容体(レセプター)は、皮膚、骨、血管、脳や肝臓などにもあり、エストロゲンを受けとめて、そこでも重要なはたらきをしています。

女性の場合、エストロゲンは、月経周期に合わせて血液中の量が変動していて、月経後から排卵前に量が増えます。

このホルモンが出ていることによって排卵を促し、規則正しく月経が起こり、妊娠し、肌もつややかで髪の毛も多く、張りのある乳房になるなどの作用があります。

エストロゲンの主な作用は以下のようなものがあります。

女性らしい丸みを帯びた体をつくりだす。
子宮、卵巣、膣、乳房など女性性器の成熟を促す。
子宮壁を厚くし、受精卵が着床できる状態をつくる。
規則ただしく月経をおこす。

女性の場合は性機能の発達と妊娠機能をつかさどっており、卵巣機能の低下に伴ってエストロゲンの分泌量が減少することによって更年期障害を引き起こします。また、分泌のバランスが崩れると生理不順や不妊の原因ともなります。

また、エストロゲンは、体を女性らしくするだけではなく、血管や骨も強くし脳や自律神経の働きを促進させるなど健康維持にも効果を発揮します。


○イソフラボンの効果

植物性エストロゲンを摂取すると本来のエストロゲンの不足分を受容体に結合し補い働いてくれますので植物性エストロゲンは本来のエストロゲンの作用をそのまま引き継ぐ形になるわけです。

興味深いことに、イソフラボンはエストロゲンの代わりの役割を果たすと考えられるのですが、それとはまるで反対に、エストロゲンの働きを弱めるという拮抗(きっこう)作用ももっているとされています。(抗エストロゲン作用)

■更年期障害
更年期障害では、のぼせ、ほてり、心悸亢進、発汗、冷え性、憂うつ感、焦燥感、不眠、耳鳴り、記憶力・判断力の低下、しびれ、下痢、頻尿、肩こり、腰痛、全身倦怠感などの不調が起こります。更年期障害は女性ホルモンの不足が引き金となりますので、女性ホルモン作用をもつイソフラボンはおおいに有効です。

■骨粗しょう症予防
イソフラボンは骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎ、骨の密度を保ちます。骨粗鬆症は閉経後の女性に多い病気ですが、閉経後に起こりやすくなるのは、女性ホルモンのエストロゲンの不足によります。エストロゲンは、骨から溶け出すカルシウム量を抑えて骨を保護する役目をしています。

また骨粗鬆症に対しては特定保健用食品として「骨の健康維持に役立つ」という表示が許可されたものがあります。

■癌の予防
イソフラボンは女性ホルモンの欠乏を補うと同時に、女性ホルモンの分泌過剰に対してはそれを抑える方向に働きますので、女性ホルモン過剰が引き金となる乳がんの予防にも役立つことが明らかにされています。

乳がんと同じようにホルモン依存型である前立腺がん、子宮がんに対しても、イソフラボンは効果的に働くと考えられています。

また、イソフラボンにはがんが作り出す新生血管の阻害活性、抗酸化作用なども報告されていますので、乳がんや前立腺がん以外にも、大腸がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、白血病などの多くのがんの予防に対する有効性が期待されています。

■動脈硬化改善
血液中のコレステロール、特に「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールの増加が動脈硬化を促します。一方、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールは悪玉を減らす作用があるのですが、イソフラボンは悪玉を減らすうえに善玉を増やすという理想的な実験結果を出しています。

■美容効果
イソフラボンは女性らしい体をつくるエストロゲンと同様の働きがあり、美白作用、保湿性の向上といった肌の美容効果も認められています。ほかにも豊胸効果(バストアップ)や生理不順の改善など、女性にうれしい作用があります。

■糖尿病の改善
大豆イソフラボンは、2型糖尿病の改善に効果があると言われています。

■アンチエイジング
イソフラボンは、非常に多様な働きを発揮します。その全貌はまだ突きとめられていません。たとえば男性に特有の前立腺がんも、大豆食習慣がない国々の人に比べて日本人男性の罹患率の低さが注目されています。
またその他にも心臓病や胃がん、その他のがん、糖尿病などにも有効性が報告され、次々と新しい研究が進められています。動物実験の段階ですが、最近、イソフラボンがストレス性胃潰瘍を抑制するという研究結果が発表されました。


○食品安全委員会での検討結果

2006年5月、報告書『大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方』としてまとめ、評価結果が厚生労働省に答申されました。
これがいわゆるイソフラボン安全性評価です。

食品安全委員会での検討結果。結論は―――

@ 1日上限摂取量を70〜75mgとし、食事に上乗せして摂取するトクホは1日摂取目安量をアグリコンで30mgとする。
A 妊婦・乳幼児・幼児には、食事に上乗せての摂取は推奨できないとする。
B 但し、上限値70〜75mgは毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であり、この量を超えることにより、直ちに健康被害に結びつくというものではないことを強調。特保の30mgも同様で、より安全性を見込んだ慎重な値であることに留意すること。 ―――というものです。

食品安全委員会が今回の検討で決めた「1日75mg」という数値は、世界中の研究報告を検討した上で、相当慎重に安全性を見込んだ上での数値です。しかも「毎日欠かさず、長期間、継続して摂る場合の平均値」で「これを超えたから直ちに健康を害するというものではない」としています。

従ってここでいう「上限値」とは、その範囲ならまず絶対安全であると検証された上での平均摂取量であるといえます。


○大豆は安心な自然食品

マウスによるイソフラボンの急性毒性試験では、経口投与できる最大量を投与しても死亡例はなく、体重や各臓器にも異常は認められませんでした。
また、ヒトによる介入試験の際に血液と尿の検査を行い、肝機能、腎機能に影響を与えないことも確認されています。


○少ないイソフラボンの摂取量

実際に私達は1日にどれくらいのイソフラボンを摂取できているのでしょうか? 国民栄養調査(2002)の結果によれば、半数の人はなんと1日に18mgに達していないというのが現実です。75mgとは国民の95%が摂取できていない量で、それ以上摂取できている人は5%もありません。

また別の調査では、日本の女子大生のイソフラボン摂取量は大豆を食べない外国人並みであるという報告もあります。
イソフラボン摂取量は一部の報道のように「過剰摂取」とはとても言えないのが現状で、摂取不足こそが問題と言えるでしょう。


○イソフラボンの研究

■厚生労働省研究班による大規模な研究
食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳がんや脳梗塞と心筋梗塞、男性の一部の前立腺がんのリスクが低下するという相関関係が見られました。

■イソフラボンの骨密度に対する影響
136人の閉経後女性ボランティアに、1年間、毎日76mgのイソフラボンを摂り、ウオーキングを週3回続けていただいた結果、このグループでは骨密度が5%近く上昇しました。また、イソフラボン摂取のみのグループでも骨密度を維持できていることが確認できました。「骨密度の維持・改善」を目指すためには1日70〜80mgの摂取が望ましいことが明らかにされました。

■米大学による大豆製品摂食と生存率の調査
中国での乳癌手術患者を対象とした大豆食品摂取の摂食と生存率の調査では、摂食量が多いほど死亡率・再発率は低下し摂食量と死亡・再発率は有意の逆相関関係にある事が示唆されています。但し有意な逆相関を得た患者群の摂食量は平均的な日本人の3倍程度でした。


○イソフラボンの副作用

イソフラボンは実際のホルモンとは違い、弱い働きをする女性様ホルモンです。自然に存在する成分であり薬ではないため、副作用の心配はないと言われています。更年期障害の治療法として女性ホルモンであるエストロゲンを投与する方法がありますが、イソフラボンはエストロゲンに比べると効果は落ちるが副作用がないのが利点だという発表もあります。


○不妊対策にイソフラボン

大豆そのものは、人間に副作用がなくても、最近は遺伝子組み換え大豆や、農薬を使って栽培した大豆があるので、そうしたことを注意深く避けている大豆イソフラボン製品を選ぶ必要があると言えるでしょう。

エストラゲンは規則正しく月経を起こし、受精卵が着床できる状態をつくる作用があります。また、イソフラボンは、エストラゲン様作用をすることを考えると、イソフラボン製品は不妊にも効果があると考えられます。














posted by あすなろ at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | イソフラボン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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